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BPO受託前の業務整理|フロー・分担・未確認事項のまとめ方

公開: 2026年10月20日約5分で読めますProcessAI 編集部
BPOセンターの長い作業席を見渡しながら作業の配置を確かめる提案担当者
AI生成のイメージ

顧客から「この業務を外に出したい」と相談を受け、2週間で提案と見積もりを出すことになった。顧客の手順書は古く、担当者の話と食い違う。例外がどれだけあるか分からないまま、人数と単価を決めなければならない。この記事は、BPO 事業者が受託前に顧客の業務を整理し、提案の前提をそろえるための進め方を書いています。BPO に委託する側ではなく、受託する側に向けた内容です。

自治体の窓口業務の委託仕様書は、受託側と発注側で何を決めるかの具体例です。横須賀市のマイナンバーカードセンター窓口業務の委託仕様書では、業務ごとに受託側(仕様書では【委】)と市のどちらが担当するかを一覧にし、受託側に業務マニュアルとフロー図の作成、サービス水準を評価する指標の作成と検証を求めています。民間の受託でも、決める項目の構成は参考になると編集部は見ています。

この記事で分かるのは、受託前に決めることと残すこと、提案期限から逆算した資料と確認相手のそろえ方、通常処理・例外・繁閑差の確かめ方、顧客と受託側の分担と判断の戻し先をフローにする方法、未確認事項を見積もりの前提として管理する方法です。

この記事の内容

  1. 1. 受託前の業務整理で決めること、残すこと
  2. 2. 提案期限から逆算して、資料と確認相手をそろえる
  3. 3. 通常処理・例外・繁閑差を、顧客と確かめる
  4. 4. 顧客と受託側の分担と、判断の戻し先をフローにする
  5. 5. 推測を確定事項にしない:未確認事項と見積もりの前提を管理する
  6. 6. よくある質問

受託前の業務整理で決めること、残すこと

受託前の整理の目的は、提案と見積もりの前提をそろえることです。業務のすべてを把握することではありません。期限内に決めるのは次の4つで、決められなかったことは「未確認事項」として残します。

  • 範囲。何が起きたら受託側の作業が始まり、何を顧客に渡したら終わるか。開始と終了の事象で決めます。
  • 分担。工程ごとに、顧客側と受託側のどちらが行うか。顧客に残る工程(承認・最終判断・顧客への連絡)を明示します。
  • 判断の戻し先。受託側で判断できない案件を、顧客の誰に、どの手段で、どのくらいの時間で戻すか。
  • 数量。月あたりの件数、繁忙期の件数、1件あたりの時間の目安。見積もりの根拠になります。

デジタル庁は、自治体の窓口 DX について、システム導入だけでは不十分で、バックヤードも含めた業務改革が重要だと説明しています。業務改革を行わずにシステムを入れると、かえって手続が複雑になり、職員側の業務が増える可能性があるとしています。受託側も同じで、受付の工程だけを見て引き受けると、後工程の差し戻しや確認で見積もりが崩れます。受付から完了までを通して見ます。

提案期限から逆算して、資料と確認相手をそろえる

提案期限が2週間なら、顧客との確認会の日を最初の3日以内と、最終週の初めの2回、先に押さえます。確認会の日が決まっていないと、資料の確認待ちで期限が尽きます。

顧客に依頼する資料は、手順書、使っている帳票(サンプル実物)、システムの画面、直近3か月の件数データの4点です。手順書は古いことが多いので、「現在と違う箇所に印を付けてください」と添えて依頼します。

確認相手は、実務の担当者、判断や承認をしている管理職、発注の窓口担当の3者です。実務担当者からは手順と例外、管理職からは判断の基準、窓口担当からは範囲と期限の希望が取れます。聞き方は業務ヒアリングの進め方と質問リストの5つの群がそのまま使えます。

顧客が用意した手順書と帳票を、ガラス張りの閲覧室で受託側の担当者が確かめる
顧客が用意した手順書と帳票を、受託側の担当者が確かめる(AI生成のイメージ)

通常処理・例外・繁閑差を、顧客と確かめる

通常処理は、1件の依頼が届いてから完了するまでを時系列で聞き、帳票サンプルを指しながら「この書類はどの段階で作りますか」と確かめます。手順書の記述と担当者の説明が違う箇所は、どちらが現在の手順かを管理職に確かめます。

例外は、「普段の手順どおりにいかないのはどんな場合ですか」と聞き、直近の実例を2〜3件出してもらいます。実例ごとに、誰が判断し、どのくらい時間がかかったかを聞きます。月に何件あるかは、幅(少ない月と多い月)で聞きます。例外の件数と処理時間は、見積もりで最も外れやすい項目です。

繁閑差は、月内の山(月末・締め日)と、年内の山(決算期・繁忙期)の両方を聞きます。件数データがあれば、月別・日別の件数を見て確かめます。平均の件数で人数を決めると、山の時期に処理が遅れます。

書類スキャナーの横に形の違う帳票のサンプルを並べ、例外の処理を確かめる手元
形の違う帳票のサンプルを並べ、例外の処理を実物で確かめる(AI生成のイメージ)

顧客と受託側の分担と、判断の戻し先をフローにする

聞いた内容は、顧客と受託側の2本のレーンに分けたフロー図にします。受託側のレーンに通常処理を描き、判断が必要な案件は顧客のレーンに戻す矢印を描きます。範囲の外にある工程と、確認できなかった工程は、図の中に「対象外」「未確認」と書いて区別します。

顧客と受託側の2レーン図の例(架空の受注事務)。判断の戻し先、対象外、未確認を図の中で区別します。顧客受託側依頼を送る受付・内容を確認手順書どおり?通常処理結果を受け取る判断を返すはいいいえ (判断が必要)対象外 = 顧客に残る工程 (承認・最終判断・顧客への連絡) / 未確認 = 確認相手と期限を付けて残す点線 = 顧客の判断を受けて受託側の処理に戻る流れ
顧客と受託側の2レーン図の例(架空の受注事務)。判断の戻し先、対象外、未確認を図の中で区別します。

横須賀市の仕様書では、業務ごとに受託側(【委】)と市(【市】)の担当を一覧にし、両者が関わる工程は「【委】/【市】」と表記しています。受託前のフロー図も、同じように工程ごとの担当を一覧にすると、提案書の分担表にそのまま使えます。図は顧客に見せて「違う箇所はどこですか」と聞き、差分を直したものを提案の前提にします。

推測を確定事項にしない:未確認事項と見積もりの前提を管理する

期限内に確認できなかったことは、推測で埋めずに未確認事項の一覧にします。一覧の項目は、内容、見積もりへの影響(人数・単価・納期のどれに効くか)、確認相手、確認期限の4つです。提案書には「この見積もりは次の前提に基づく」として、未確認事項を明記します。

横須賀市の仕様書は、受託側にサービス水準を評価する指標の作成と、実績のモニタリング、指標の検証を求めています。民間の受託でも、受託前に「何を測って水準とするか」(処理期限内の完了率、差し戻し率、問い合わせ応答時間など)を決めておくと、受託後の評価で揉めません。測る項目は、受託前に顧客と合意します。

複数の業務を短い期間で整理する必要がある場合、ヒアリングと初稿の作図を AI に任せる方法があります。ProcessAI は、顧客の担当者が AI と会話した内容(一般的な業務では20〜30分が目安)から業務フロー図の初稿を生成します。受託側の担当者は、初稿を顧客に見せて差分を確かめる工程から始められます。

ProcessAI の業務フロー全体図。工程ごとのカードと判断の分岐、改善案の切り替えを表示する画面
ProcessAI の実際の画面: 会話から作った業務フロー図の初稿(デモデータ・見積と発注の業務)

ここから言えること

受託前の業務整理は、業務のすべてを把握することではなく、範囲・分担・判断の戻し先・数量の4つを決め、決められなかったことを未確認事項として見積もりの前提に書くことです。確認会の日を先に押さえ、通常処理・例外・繁閑差を顧客と確かめ、2レーンのフロー図で分担を見える形にしてください。

受託前に複数の業務フローを短期間で整理したい場合は、ProcessAI をご検討ください。顧客の担当者が AI と会話するだけで初稿ができ、受託側は確認と提案に時間を使えます。

ProcessAI に問い合わせる機能を見る

よくある質問

顧客が手順書を出してくれない場合はどうしますか。
帳票のサンプルとシステムの画面だけでも進められます。帳票とシステムの画面は作業の区切りを示すので、それを指しながら担当者に手順を聞きます。手順書がないこと自体を未確認事項に記録し、見積もりの前提に書きます。
例外の件数が分からないまま見積もりを出してよいですか。
幅で見積もります。例外が少ない場合と多い場合の2案を出し、「例外の件数が月○件を超える場合は再見積もり」と前提に書きます。推測で1つの数字に決めると、受託後に赤字になります。
自治体の仕様書を民間の受託の参考にしてよいですか。
決める項目(分担表・マニュアルとフロー図・サービス水準の指標)の参考にはなります。ただし、自治体固有の分担や法令上の制約はそのまま当てはまりません。項目の構成だけを参考にしてください。

出典

  • 横須賀市「マイナンバーカードセンター in 産業交流プラザ 窓口業務委託仕様書」(業務マニュアル及び業務フローの作成・サービス要求水準合意書及び指標の作成・検証・業務分担)
  • デジタル庁「自治体窓口DX『書かないワンストップ窓口』」(窓口業務とバックヤード業務を含む業務改革の必要性)

ProcessAI

担当者が AI と話すだけで、業務フロー図の初稿ができます

記事で紹介したヒアリングと作図を、AI が音声の会話で行います。一般的な業務では20〜30分の会話が目安です。 業務フロー図の初稿に加えて、自動化できる工程の候補と削減時間の試算が出ます。

会話の内容から初稿を作成
  • AIどのような部署で、どんなお仕事をされていますか?
  • 担当者取引先への見積依頼から発注までを担当しています。
  • AI最初は何から始まりますか?
  • 担当者仕入先にメールで見積もりを依頼して、届いた見積書の金額と納期を確認します。
  • AI確認の後は何をしますか?
  • 担当者問題があれば修正を依頼します。問題がなければリーダーに承認を依頼します。

業務フロー図 (初稿)

  1. 仕入先に見積もりを依頼 (メール)
  2. 見積書の金額と納期を確認
  3. ◇ 内容に問題があるか問題あり → 修正を依頼 / 問題なし ↓
  4. リーダーに承認を依頼

デモ: 見積・発注業務 (架空のデータ)

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