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業務フロー図の作り方|5つの手順・記号の使い分け・ツール・よくある失敗

公開: 2026年10月18日約7分で読めますProcessAI 編集部
白とグレーの付箋を並べて業務の流れを整理する担当者
AI生成のイメージ

「業務フロー図を作ってほしい」と頼まれたが、何から手を付ければよいか分からない。描き始めたら分岐と例外が増えて、1枚に収まらなくなった。この記事は、そうした状況で最初の1枚を仕上げるための手順を書いています。

2025年版の中小企業白書は、デジタル化の段階3(デジタル化による業務効率化やデータ分析に取り組んでいる状態)の例として、「業務フローの見直しを行っている」ことを挙げています。2024年の調査では、段階3以上の事業者は35.2%でした(段階3が32.0%、段階4が3.2%)。約65%の事業者は、まだこの段階に達していません。

この記事では、作図前に決める3つのこと、作図の5つの手順、4種類で足りる記号の使い分け、ツールの選び方、描いた後に古くしない運用を順に説明します。

この記事の内容

  1. 1. 業務フロー図とは何か、何のために描くのか
  2. 2. 作図の前に決める3つのこと
  3. 3. 業務フロー図を作る5つの手順
  4. 4. 記号は4種類で足りる
  5. 5. ツールの選び方
  6. 6. よくある失敗と直し方
  7. 7. よくある質問

業務フロー図とは何か、何のために描くのか

業務フロー図は、ある業務を「誰が」「何を」「どの順番で」「どこで判断して」「どの書類やシステムを使って」進めるかを、図で表したものです。文章で書いた手順書と違い、担当者の受け渡しと判断の分かれ目が一目で分かります。

描く目的は、おおむね次の3つに分かれます。目的によって、必要な粒度と描く範囲が変わります。

  • 共有のために描く場合は、部署をまたぐ受け渡しが分かる粗さで足ります。新しい担当者や取引先に全体像を説明する用途です。
  • 改善のために描く場合は、手戻りや待ち時間が起きる箇所まで描きます。どこに時間がかかっているかを特定する用途です。
  • 引き継ぎのために描く場合は、判断の基準と例外の扱いまで描きます。担当者が代わっても同じ品質で回す用途です。

業務マニュアルとの違いは、マニュアルが「1人の作業のやり方」を細かく書くのに対し、業務フロー図は「複数の人と部署の間の流れ」を描く点にあります。両方必要な業務もありますが、先に作るのは業務フロー図です。全体の流れが決まらないと、マニュアルの範囲が決まらないためです。

作図の前に決める3つのこと

描き始める前に、範囲・粒度・読み手の3つを決めます。この3つが曖昧なまま描くと、途中で分岐が増え続けて収拾がつかなくなります。

1. 範囲:開始の事象と終了の事象を1つずつ決める

「受注業務」のように名前で範囲を決めると、人によって含める作業が変わります。「顧客から注文メールが届く」から「請求書を送付する」まで、のように、開始と終了を具体的な出来事で決めます。

2. 粒度:1つの箱を「1人が、1つの場所で、続けて行う作業」にそろえる

最初の1枚では、1つの箱を「担当者が代わる」か「使うシステムが代わる」か「判断が入る」かのどれかで区切ります。箱の数は、1枚あたり15〜25個に収まる粗さが目安です。それより細かい作業は、必要になった箇所だけ別紙に分けます。

3. 読み手:誰が、どの場面で見るかを決める

経営層が改善の判断に使う図と、新人が作業中に見る図では、必要な情報が違います。読み手が1人で読んで理解できるかを基準に、用語と略語を決めます。社内の略語は、最初に出てくる箇所で正式名称を添えます。

1枚の用紙に収まる範囲で業務フローの工程を整理するためのカード
作図する範囲を、広げすぎず1枚分に絞る準備(AI生成のイメージ)

業務フロー図を作る5つの手順

業務フロー図を作る5つの手順。清書の前に、付箋で並べる工程を挟むと手戻りが減ります。1関係者と資料を集める2実際の流れをヒアリング3付箋で並べる4ツールで清書する5担当者に見せて差分を直す
業務フロー図を作る5つの手順。清書の前に、付箋で並べる工程を挟むと手戻りが減ります。

手順1. 関係者と資料を集める

対象の業務に関わる担当者を、部署ごとに1人ずつ挙げます。既存の手順書、使っている帳票、システムの画面も集めます。帳票とシステムの画面は、作業の区切りを見つける手がかりになります。

手順2. 実際の流れをヒアリングする

担当者に、普段の手順を時系列で話してもらいます。ここで聞くのは「決められた手順」ではなく「実際にやっている手順」です。両者がずれている箇所が、後で改善点になります。ヒアリングの質問の組み立ては、業務ヒアリングの進め方と質問リストで詳しく扱っています。

手順3. 付箋で並べる

聞いた作業を1枚ずつ付箋に書き、横軸を時系列、縦軸を担当者にして並べます。この段階で、順番の誤りや抜けを直します。清書の前に付箋で並べる理由は、作図ツール上で箱を動かすより、付箋を貼り替える方が修正が速いためです。

手順4. 作図ツールで清書する

付箋の配置をそのまま作図ツールに写します。矢印は左から右、上から下に流し、交差を減らします。判断の分岐には「はい」「いいえ」の条件を矢印の近くに書きます。

手順5. 担当者に見せて差分を直す

清書した図を、ヒアリングした担当者に見せます。「この通りですか」ではなく「違う箇所はどこですか」と聞くと、差分が出やすくなります。差分を直した版を正式な第1版にします。

記号は4種類で足りる

フローチャートの記号は、情報処理用の規格である JIS X 0121 に多くの種類が定められています。ただ、業務フロー図で日常的に使うのは次の4種類です。種類を増やすと、読み手が記号の意味を覚える負担が増えます。

  • 開始・終了は角の丸い長方形で描きます。範囲で決めた開始の事象と終了の事象を書きます。
  • 処理は長方形で描きます。「注文内容を確認する」のように、動詞で終わる文を書きます。
  • 判断はひし形で描きます。「在庫はあるか」のように、はい・いいえで答えられる問いを書きます。
  • 書類・データは、処理の箱の近くに添えて、入力と出力を示します。帳票名やシステム名をそのまま書きます。

部署や担当者をまたぐ業務では、担当者ごとに横の帯(レーン)を分ける「スイムレーン図」が向いています。受け渡しの回数が、帯をまたぐ矢印の本数として見えるためです。業務プロセスを記述する国際的な表記法として BPMN 2.0 がありますが、最初の1枚では、上の4種類とレーンだけで十分に伝わります。

スイムレーン図の例。顧客・営業・経理の帯を分けると、受け渡しが帯をまたぐ矢印として見えます。顧客営業経理注文を送る注文内容を確認在庫あり?請求書を発行納期連絡を受けるありなし
スイムレーン図の例。顧客・営業・経理の帯を分けると、受け渡しが帯をまたぐ矢印として見えます。

ツールの選び方

作図ツールは、清書の工程でだけ使います。手順1〜3はツールに依存しません。選ぶ基準は「社内で共有しやすいか」と「更新を続けられるか」の2点です。

  • すでに社内で使っているなら、Excel や PowerPoint で描いて構いません。図形と矢印の機能で、4種類の記号とレーンは描けます。共有と更新のしやすさで有利です。
  • 無料で専用の作図機能がほしいなら、draw.io (diagrams.net) があります。ブラウザで動き、ファイルを自社のストレージに置けます。
  • 複数人で同時に編集したいなら、Lucidchart や Miro のような共同編集のツールがあります。
  • Microsoft 365 を使っている組織では、Microsoft Visio がフローチャートの定型図形を備えています。

手順2のヒアリングと手順4の清書を AI に任せる方法もあります。ProcessAI は、担当者が AI と日本語で会話した内容(一般的な業務では20〜30分が目安)から業務フロー図の初稿を生成します。初稿を手順5の「担当者に見せて差分を直す」工程にそのまま回せるため、ヒアリングの記録を起こす時間と、箱を並べる時間を省けます。

ProcessAI の業務フロー全体図を担当者ごとの横レーンで表示した画面
ProcessAI の実際の画面: 担当者ごとのレーンで表示した業務フロー図(デモデータ)

よくある失敗と直し方

例外をすべて1枚に描いてしまう

例外のたびに分岐を足すと、図が読めなくなります。月に数件しか起きない例外は、本流の図には「例外は別紙」と注記し、別紙に件数と対応をまとめます。件数が多い例外は、例外ではなく本流の分岐として描きます。

粒度が箇所によって違う

ある箇所は「請求書を作る」の1箱なのに、別の箇所は「金額を入力する」「上長に回す」「印刷する」と3箱に分かれている状態です。自分がよく知っている作業ほど細かく描く傾向があります。「担当者・システム・判断のどれかが変わるところで区切る」という基準に戻して、箱を統合します。

「正しい手順」を描いてしまう

規程やマニュアルを見ながら描くと、実際には行われていない手順の図ができます。第1版は、あえて実態の通りに描きます。実態と規程の差は、改善点として別に記録します。

作って終わりになる

業務は変わるので、図も古くなります。図の右上に「作成日・作成者・次回見直し日」を書き、手順や担当が変わったときに更新する担当者を決めます。見直しの頻度は、半年に1回が目安です。

業務の変更に合わせて共有する手順の資料を差し替える担当者
作ったフローを放置せず、担当者が見直して差し替える(AI生成のイメージ)

ここから言えること

業務フロー図の品質は、作図ツールの腕前ではなく、手順2のヒアリングと手順5の差分確認で決まります。最初の1枚は、範囲を1業務に絞り、箱を15〜25個に収め、実態の通りに描いてください。描けた図は、改善の議論と引き継ぎの両方に使えます。

ヒアリングから初稿の作図までを AI に任せたい場合は、ProcessAI をご検討ください。担当者が AI と会話するだけで(一般的な業務では20〜30分が目安)、業務フロー図の初稿と、自動化できる工程の候補が出ます。

ProcessAI に問い合わせる機能を見る

よくある質問

業務フロー図とフローチャートは何が違いますか。
フローチャートは、処理の流れを記号で描く図の総称で、プログラムの処理手順にも使います。業務フロー図は、そのうち人と部署の間の業務の流れを描いたものです。記号は共通で、業務フロー図では担当者ごとのレーンを加えることが多いです。
1枚の図にどのくらいの工程を入れるのが適切ですか。
箱の数で15〜25個が目安です。それを超える場合は、範囲が広すぎるか、粒度が細かすぎます。範囲を分けるか、細かい作業を別紙に移してください。
1つの業務のフロー図を作るのに、どのくらい時間がかかりますか。
担当者が3〜4人の業務で、ヒアリングに1人あたり45〜60分、付箋で並べる作業に1〜2時間、清書に1〜2時間、確認と修正に1時間程度です。ヒアリングの日程調整を含めると、1〜2週間を見ておくと余裕があります。
業務マニュアルと業務フロー図は、どちらを先に作るべきですか。
業務フロー図を先に作ります。全体の流れと担当の区切りが決まってから、各担当の作業をマニュアルに書く方が、重複と抜けが減ります。

出典

  • 中小企業庁「2025年版 中小企業白書」第1部 第1章 第5節 デジタル化・DX(第1-1-41図 デジタル化の取組段階)
  • 日本産業標準調査会(JISC)JIS X 0121 情報処理用流れ図・プログラム網図・システム資源図記号
  • Object Management Group「Business Process Model and Notation (BPMN) 2.0」

ProcessAI

担当者が AI と話すだけで、業務フロー図の初稿ができます

記事で紹介したヒアリングと作図を、AI が音声の会話で行います。一般的な業務では20〜30分の会話が目安です。 業務フロー図の初稿に加えて、自動化できる工程の候補と削減時間の試算が出ます。

会話の内容から初稿を作成
  • AIどのような部署で、どんなお仕事をされていますか?
  • 担当者取引先への見積依頼から発注までを担当しています。
  • AI最初は何から始まりますか?
  • 担当者仕入先にメールで見積もりを依頼して、届いた見積書の金額と納期を確認します。
  • AI確認の後は何をしますか?
  • 担当者問題があれば修正を依頼します。問題がなければリーダーに承認を依頼します。

業務フロー図 (初稿)

  1. 仕入先に見積もりを依頼 (メール)
  2. 見積書の金額と納期を確認
  3. ◇ 内容に問題があるか問題あり → 修正を依頼 / 問題なし ↓
  4. リーダーに承認を依頼

デモ: 見積・発注業務 (架空のデータ)

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